私はかねがね「三つのフリー」を提唱してきた。まずは誰でもご存じの「バリアフリー」。簡単に言えば、年をとって足腰が弱くなったときのために床の段差をなくしたり、階段に手すりやスロープを設けたりすることだ。最近では分譲住宅やマンションでもかなり配慮されるようになっており、「バリアフリー」を謳い文句にした物件も増えている。第二は「ケミカルフリー」。ホルムアルデヒドに代表される有害な化学物質を含まない安全な建材だけを用いて家を建てることである。
(参考)
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こちらも化学物質が原因となるアレルギー性の健康被害が「シックハウス症候群」や「新築病」として騒がれるようになってからは規制が定まり、かなり改善されてきた。しかし、住宅建築に使われる材料は多種多様だ。塗料や接着剤まで考えれば、どこまで細かいチェックの目が行き届いているかは、これまた大いに疑問である。第三に「メンテナンスフリー」。つまり維持や修繕の問題に関しては、なかなか世間の意識が高まらない。新築時は見栄えがよく最新設備が満載だった家でも、五年たったら塗装のやり直し。十年たったら屋根の葺き替え。二十年で基礎や柱梁や配管まで傷み出し、結局は建て替えが必要という家さえ珍しくない。しかし、考えてみていただきたい。六十歳過ぎた年金暮らしの身で、いきなり「基礎や構造の補強に二百万円、屋根の修繕に百万円」などという見積りを突きつけられても、「ああ、そうですか」と応じられるものではない。